自然環境の課題

神於山は、かつては山頂付近にまで果樹や竹林が営まれており、人との関わりの深い山でした。しかし近年では、開墾などの人為的干渉をうけた放置果樹園において、 一部の放置された竹の地下茎が伸長した結果、竹林の分布が拡大繁茂しています。下の画像でも見られるように昭和30年代では僅かにみられた竹林が、いまでは神於山全体に広く分布していることがわかります。
 荒廃した竹林は多様な自然環境を単純にし、特にドングリなどの木の実を主食とする動物たち、あるいは明るい林に生息する植物の生活の場が少なくなる要因であるため、 自然環境の課題として挙げられています。

昭和36年
昭和36年

昭和30年代当時神於山地区では、かなり広域にわたり果樹栽培がおこなわれていたようです。また、アカマツ林も尾根付近で広くみられ、竹林の分布は一部の地域に限られていたようです。竹林は山頂付近と集落に近い地域で比較的まとまっています。

平成15年
平成15年

神於山地区全域で竹林の分布が広くみられます。画像左下の河合町付近の分布が著しく増えています。 また、昭和36年と比較すると、主に放置果樹園や耕作地に分布を拡大しています。これは竹の地下茎が伸長しやすい土の軟らかな地域に分布拡大したためとおもわれます。

自然再生に向けた取り組み

神於山では、山麓部の放置果樹園が葛(クズ)に覆われると共に、放置された竹林が、山麓部から山頂部にかけて広く拡大繁茂し、健全な樹林が有する生物多様性保持機能、自然景観創生機能が損なわれています。
特に、放置竹林や荒廃密生林をはじめとした森林植生は、大きな問題となっており、早急な再生への対策が迫られています。そのため、神於山における自然再生に向けた取り組みとしては、竹林の適正な整備・管理を行いつつ豊かな里山植生の復元を目的とした森林植生の整備・保全を行うことを主たる目的としています。

神於山での荒廃した森林植生の状況

荒廃した竹林
荒廃した竹林

 

《竹林の過密化により荒廃した環境》



竹林は、耕作や果樹栽培が行われていた土地を中心に分布拡大し、神於山全体に広がっています。
一部の地域を除いて、今では放置され荒廃した環境となっています。枯竹・倒竹が多く、景観的にも荒廃した様子がうかがえます

雑木林
雑木林

 

《雑木林が放置され荒廃した環境》



コナラ・クヌギなどの雑木林内は、管理不足の影響から林内では低木類が密生しており、荒廃した環境です。
特に竹林と隣接した雑木林では、竹が雑木林内に侵入している地域もおおく、近い将来、竹が優先した環境へと遷移する可能性があります。

クズの繁茂状況
クズの繁茂状況

クズが樹林を被圧し、森林植生が退化した環境》



クズなどの蔓性植物が樹林や低木類を被覆しています。
この状況では、日照不足の影響で、他の植物の成長はほとんど見られません。
そのため、後継樹となる樹木の生長は遅く、放置すると樹林を形成するまでには多大な労力と時間がかかります。

ラヂオ きしわだ
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